スーピマコットンについて

サンスペルのクラシックTシャツをはじめとする上質なジャージーコットン生地の衣類には、スーピマコットンが使われています。この特別な生地をご紹介します。

スーピマコットンとは?

コットンには様々な種類があり、その種類やグレードによって大きな違いがあります。品質は繊維の長さによって決まります。繊維が長いほど上質のコットンになります。一般に超長綿と呼ばれるコットンは、繊維が最も長いものを指します。

ピマコットンは特に上質の超長綿で、オーストラリア、イスラエル、ペルー、アメリカで栽培されていますが、これは商標保護がされていない一般名称です。一方でスーピマはピマ種の中で最高品質のアメリカ産の品種の商標名で、アメリカで栽培されている綿花の3%、世界で栽培されている綿花の1%にも満たないのです。

スーピマの認定を受けるには、厳しい品質審査を通らなければなりません。Gossypium barbadense(ゴシピウム・バルバデンセ種)の球根から育てられるスーピマは繊維の長さが平均1.5インチ(約38mm)という条件を満たす必要がありますが、これは他の種のコットンの繊維の2倍の長さです。

スーピマは優れた強度、柔らかさ、高い保色性を特徴としています。そして見た目が美しいのはもちろん、こまめに洗濯しても型崩れを起こしません。着心地も抜群で、まさに衣類の素材として最適なのです。


Gossypium barbadense (ゴシピウム・バルバデンセ種); アリゾナ州のスーピマコットンの綿畑 (写真: スーピマ)


スーピマコットンの綿畑

スーピマコットンの起源

ピマという名前がつけられたのは1910年のことです。世界で最高品質のコットンを開発するための米国農務省のプログラムの一環で、もともとこの綿花を栽培していたアメリカ先住民のピマ族に敬意を表して命名されました。

スーピマコットンとは、このプログラムの産物であると同時に、その普及と保護が目的で1954年に設立された非営利団体の名称でもあります。ピマコットンは世界の品質が劣るコットンと混紡されることもありますが、スーピマコットンはアメリカで栽培された最高品質のピマのみであることを保証します。

伝統的な農業と21世紀のテクノロジー

スーピマコットンは、アメリカのピマコットンが専門の500ほどの家族経営の農場で栽培されています。その多くはカリフォルニア州のサンホアキン・バレーにあり、残りはアリゾナ州、ニューメキシコ州、テキサス州にあります。これらの地域はアメリカ産のピマ種が必要とする高温で乾燥した砂漠気候地帯にあり、長期の生育期間を確保できます。

スーピマコットンを栽培する農場の多くは、数世代にわたって続く家族経営の農場です。現在の経営者たちは引き継がれてきた歴史と伝統を誇りにしながらも革新的な取り組みを行っています。

スーピマコットンの農場は、最新鋭の土壌モニターやGPSナビ機能搭載のトラクターなど、世界でも最先端のテクノロジーを導入しています。これらの技術を駆使して、環境への影響を最小限に抑えながら、最高品質の綿花を生産することを目指しています。

スーピマコットン ― 持続可能性、透明性、追跡可能性

スーピマコットンは、エシカルかつ環境に配慮した農業基準を維持するために、特に水利用の効率性と土壌の健全性に関して厳しく管理されています。

スーピマ種の綿畑は、最も効率的な水利用を目指してレーザーレベラーで均平作業を行い、土壌の水分を回復させ、土壌の健康を促進し、生物の多様性を促すように設計された灌漑システムを採用しています。スーピマコットンの生産による廃棄物はすべて堆肥化が可能で、廃棄物を最小限に抑えることができます。

スーピマコットンの加工の過程は入念に管理され、繊維から糸、最終製品にいたるまですべての段階で科学的に追跡することができます。サンスペルのクラシックTシャツやボクサーショーツなどのスーピマコットンの製品を購入すると、100%スーピマコットンで作られていることがわかるのです。

サンスペル、スーピマ、Q82ジャージー

Q82(Quality 82)は、何十年もの間サンスペルの歴史の一部になっています。Q82 とは1982年にロングイートン工場で開発された、独特な柔らかさを持つ極細のコットンジャージー生地のことです。現在、Q82コットンジャージー生地にはスーピマが使われていて、その優れた生地の高い品質を引き出すべく、深い配慮と熟練した技術を要する製造工程を経ているため、さらに贅沢なものになっています。

Q82のコットンジャージー生地を作るためには、まず超長綿の繊維を撚り合わせて強い双糸を作ります。これをガス焼きしてはみ出した糸を取り除いてから二重に紡ぐことで、驚くほど滑らかで上質かつ耐久性の高い糸ができあがります。それから丸編み機でジャージー生地に編み上げると、糸同士が固定され、こまめに洗濯をしてもねじれることのない、長年着用しても型崩れしない服に仕上がるのです。

その後生地はローラーの上に手で敷かれ、熟練工が確認しながらロープ染色が施されます。ローラーから取り出された生地は最終製品が型崩れしないように休ませます。入念な配慮の元に数多くの工程を経た後、生地は英国の工場に送り届けられ、裁断、縫製、仕上げが熟練工の手作業により行われて、サンスペルのTシャツが完成するのです。